ホタル観察会

ホタル観察会 日中は暑かったですが、夕方になり涼しくなってきました。今晩は楽しみにしている子も多いホタル観察会です。6月3日浜松市の日没時間は18:59なので、開始時間の19時は明るさが残っていました。
 ホタルの里は、道から脇に入り民家の裏手を下った谷になった場所にあります。降りるときは足元ばかり見てしまいますが、坂を下り周りを見渡すと、その景色に驚いた方も多いと思います。ブルーシートに座りゆっくり鑑賞してもらう予定でしたが、参加者が多く立ち見になってしまった方もいました。

ホタル観察会 辺りが暗くなりホタルが現れるまで藤森先生にホタルについてお話をしていただきました。藤森先生は水生生物に詳しく、全国のホタルの生息を調査され保存活動をしていらっしゃいます。未来塾でも森守チャレンジや全国水生生物調査、夏まつりの川の生きもの調査で、先生に色々とご指導いただいています。
ホタル観察会 ホタルは地球上に3000種類いて、そのうち日本には50種類確認されており、浜松には8種類生息しています。ホタルというと水辺にいると思いがちですが、幼虫時代に水の中で過ごす水生ホタルは10種類だけで、ほとんどのホタルは湿地などで育つ陸生ホタルなのだそうです。浜松にいる8種類のうち4種類が水生ホタルで、幼虫はカワニナ、モノアラガイなど淡水性巻貝を餌にしています。陸生ホタルはデンデンムシなどの巻貝を食べるそうです。
ホタル観察会 ホタルはステロイドの毒を持つため幼虫時代に他の虫に食べられることはほとんどないそうです。親のホタルを捕食するのはクモくらいだそうです。では、ホタルの一番の天敵は何でしょう?答えは人間です。開発による環境破壊、農薬などによる水質悪化、人工的な照明、人の手の入らなくなった耕作放棄地などの影響で生息数が減少しています。幼虫の餌になるカワニナが減ってしまうこともホタル減少の要因となっています。

 お話しの最中に待ちきれなかったのか、ホタルが光りだしました。初めて見る子も毎年見ている子も「光った!」と歓声を上げていました。すぐに数匹が光りだし、木の上の方を飛んでいるもの、茂みで光るものなどだんだん数が増えていきました。30分くらい経ったころには茂みで何匹ものメスが光る上をオスたちが飛び回る光景を見ることができました。S君に全部で何匹いるか数えてもらいましたが、飛び回る光を数えるのは難しかったようです。道を挟んで両側合わせて30匹くらいはいたかと思います。温暖化の影響なのか年々観察時期が早くなっているようですが、去年より沢山飛んでいる様子を見てもらえて良かったです。小さな子は暗闇でじっとしているのは難しかったですね。8時ころには帰る子たちがいたので、希望者だけでヒメボタルの観察場所へ移動しました。
ホタル観察会 ヒメボタルは陸生のホタルです。今年の最盛期はすでに終わってしまい数がとても少なかったですが、竹林の中でピカピカと細かく点滅する様子はおとぎ話の世界のようです。遅い時間の方が良いそうで、最後まで残っていたら奥の方で何十匹、おそらく100匹近くはいたのではないでしょうか。駐車場へ向かう途中、住宅横の茂みの中でも光っていました。帽子の中や手の上に乗ってきたホタルはとても小さく、儚さを感じ、ホタルの天敵である人間がホタルの生息できる環境を守る必要性を強く感じました。
 ホタルの里にはホタル、トンボ、サワガニ、ウサギ、タヌキなど色々な生き物がいます。やまかわの田んぼや椎の木谷など市街地に残された自然の中でも生息し続けている生き物がいます。自然を破壊するのは簡単です。破壊された自然を元通りに戻すことはできません。初めてヒメボタルを見た方が、今の時代SDGsが謳われているけれど開発より守ることも大切ですね、と話されていました。未来塾の活動を通し、子どもたちには自然を守る大切さを学んでほしいです。
 来年も、再来年も、未来塾の子どもたちが親になった時にも、この場所でホタルを見ることができますように。
 


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