
先週からホタルの講師である藤森先生やスタッフが、ホタルの視察をしていました。日を追うごとに数が減り、昨晩は数匹しか確認できませんでした。初めてのホタルを楽しみにしている子もいるなか、不安を抱きながらの今日の観察会となりました。

今の時期、集合時間の7時だと外はまだ明るく照明も必要ありません。草刈りをして歩きやすくなった道を下ると、ホタルの里にはブルーシートが敷かれ観察の準備ができていました。

ホタルが出るまで藤森先生が、ホタルについての説明をしてくださいました。ホタルは世界中に3000種類いて、日本には約50種生息しているそうです。ゲンジボタル、ヘイケボタルの名前は聞いたことがあると思いますが、浜松には8種類のホタルが確認されているそうです。例年だと今頃が観察敵期なのですが、今年は農作物など自然界の流れが2週間ほど早く、ゲンジボタルのピークも2週間早かったようです。説明が終わった頃には辺りもすっかり暗くなり今晩は見ることができるか気をもんでいると、1匹のホタルが茂みの中で光りました。竹藪の上の方で光ったり、観察している塾生を見渡しながら飛んでいるようなホタルもいました。

観察中に「ホタルこい」の歌を歌っている子たちがいました。幼稚園でボールをつきながら歌ったので覚えているそうです。子どもたちが昔からの童謡を知っていて嬉しくなりましたが、歌詞にもあるようにホタルは水辺の生物と思われがちです。しかし水生ボタルは3000種類のうち10種類しかいないそうです。水生ボタルのヘイケボタルは里山で人間と共生してきましたが、人間による生息地の環境変化で絶滅の危機へと向かっているそうです。ゲンジボタルにとっても夜間照明や水系の違う場所への観賞用の移出入など、数の減少を余儀なくされる状況にあります。
今日は10匹ほどしか見ることができませんでした。けれども1匹飛んでいるホタルを見ただけでも、子どもたちが歓声をあげていました。今晩の思い出とともに、自然を守る気持ちを育んでほしいと感じ、この里を守り続ける大切さを再認識しました。