今日は「とみつか未来塾」では2年ぶりに、農業環境改善センターでの「味噌つくり」をしました。

冷たい朝でしたが、午前9時に参加塾生8家族24名とスタッフ10名が会場に集まって味噌作りをしました。
始めに川口塾長が、子どもの頃には自家製の味噌や醤油を作っっていたので、近くに共同の麹蔵があり、戦争中に家が焼けた時にはそこで寝泊りをした思い出話をされました。


今では味噌は買うのが普通になりましたが、今日は皆で美味しい自家製味噌を作りましょうと話され、森光副塾長が大きな鍋で豆を煮たり、ミンチの機械を使うので、怪我の無い様に気を付けてと注意事項を、味噌つくりの準備をして下さったスタッフの清水カツ子さんが、味噌つくりの工程について説明されました。


手を綺麗に洗った塾生たちは4つのテーブルに分かれて、パンラックに入った麹と塩を手で混ぜる作業から始まりました。
ガスにかかった大鍋には前日に洗って水に浸してあった大豆20㌔と落花生が入っています。


豆が煮上がるまでには約2時間近くの長い時間がかかるので、始まった早々の午前9時に着火しました。毎年豆を煮る係をしている森光さんが、噴きこぼれそうな鍋の泡を一生懸命すくっていました。

豆が煮えるまでには時間がかかるので、カツ子さんが一昨年未来塾で作った味噌をインスタントの「生姜味噌」にしたてたみそ汁にして、今日出席の皆で味わいました。味噌の中にすりおろした生姜とごま、さとう、酒、みりん、昆布茶、だしの素、醤油を練り込んで、火を止めてごま油と鰹節を加えたものを、お椀に入れて熱湯を注いでできたインスタントの味噌汁です。

即席ですが、しっかりした味わいの味噌汁で、常備してあれば手軽に味噌汁ができて便利なものだと、若いお母さんたちは思ったようでした。
一昨年に作った未来塾の味噌が美味しい味噌だということも皆が認識しました。未来塾の味噌は、故人となられたスタッフの四村さんが、こだわりの材料と配合を考えて作り出したオリジナルの美味しい味噌なのです。

川口塾長が、「おじさんが子どもの頃の話を聞きたい人はここへお出で」と子どもたちを呼びました。塾長が小学校6年生の昭和19年6月の浜松大空襲の時の話をされました。
大空襲の日、空から焼夷弾が降ってきたので、防空壕に逃げて帰ってきたら、住んでいた家が焼けて無くなっていたそうです。お腹が空いて食べ物が無いので、ジャガイモを焼け跡で焼いて食べた話や、焼け残った五右衛門ぶろの焚き付けを探しに行って、焼夷弾の不発弾を拾ってきて、芯の油のあるところを抜いて燃やしたとか、危険なことをよくやったなーと、思わずお母さんたちも聞き入りました。何もない中で工夫して遊んだ話を、何でも揃っている今の子たちはどのように聞いたのでしょうか。


そうしているうちに豆が煮上がりました。ざるに上げて外の冷たい風の当たるところに持っていき、扇風機も使って冷ましました。
麹と混ぜ合わせるので麹菌が死なない温度まで冷ます必要があるのです。


冷ました豆は4つに等分して煮汁と一緒に、麹の入った4つのパンラックに混ぜ合わせます。
豆を煮た大きな鍋は念入りに洗われていました。
手を使う作業が始まるので、塾生たちはもう一度手を綺麗に洗いました。


それから4つのテーブルに分かれて豆と麹と煮汁を「美味しいお味噌にな~れ」と丁寧に混ぜ合わせました。混ぜ終わったパンラックからミンチが始まりました。この機械は手を挟んだりすると危険なので作業はスタッフがして子どもたちは離れて見ていました。


ミンチになったら次は子ども達にとって楽しいお団子作りです。でも普通の団子でなくて、空気を抜いた団子です。空気があると雑菌が繁殖してしまうからなのです。3つに分かれたテーブルで次々にお団子ができて行きました。






1つのテーブルでおだんごを2.3㌔ずつに測って丈夫なビニールの袋に空気を抜きながら詰める作業が始まりました。


これは力が必要な大変な作業でした。主に大人がしましたがKさん姉弟が初めから終わりまでやり続けて子どもなのに袋詰めの達人になりました。



遂に全部が袋詰めされて昼食時間になりました。各自が持ってきたお弁当に先ほどの味噌汁で楽しい食事と休憩をしました。


皆で後片付けをして、お掃除をして、袋詰めした袋の口元に悪い菌が入らないように一つまみの塩を入れて、空気を追い出して輪ゴムできっちり止めました。
カツ子さんが味噌の保管の仕方を若いお母さんたちに教えていました。

よく消毒した甕のような容器にもう一枚ビニールの袋に入れた味噌を入れて蓋をして冷暗所に保管します。お彼岸の頃になったらふたを開けて様子を見て見ます。
味噌は生きているので、時々様子を見て容器の中の空気が入れ替わるのは好いことなのだそうです。

もし袋に空気が入っているようだったら空気を出して輪ゴムの縛り直しをします。カビが生えているようならそこを取り除きます。
6月ごろに一度なめてみて食べれそうだったら食べ始めても好いそうです。
最後に出来上がった味噌を材料費1袋1500円で分けて持ち帰りました。保管が上手にできて、美味しいお味噌になりますように。