

一昨日(22日)は夏とは思えないような涼しい曇り日でしたが、昨日(23日)の夏まつりに打って付けの晴天となりました。
9時に会場のやまかわの田んぼへ行きますと、スタッフは会場設営の準備をしており、塾生のご家族も

続々と集まって来て、荷物運びや水汲みなど手伝いをして下さいました。
9時半、夏まつりの開始です。田んぼは濃い緑のじゅうたんを敷き詰めたように稲がしっかり育っていまし

た。川口塾長が「種もみを塩水選した時から数えて今

日で97日目で、稲はこのように育っています。後70日経つと稲刈りですから、収穫まで半分以上の時が経ったのですね」とご挨拶して、最初の田んぼの草取りが始まりました。

田んぼは全部で6枚ありますが、初めに一番南側の

黒米の田んぼの草取りから始めました。稲は通りが揃っていますので、夫々の人が自分が草取りする通りを決めて横に並んで草を取りました。コナギというホテイアオイに似た草が多く生えていましたが、次第に

大勢の塾生が集まって来て、皆さん真面目に一生懸命草取りしましたから、6枚全部のの田んぼの草取りは

予定の時間通りに終わってしまいました。夏まつりに草取りを全部終えたのはこれまで初めてで、本当に嬉しいことです。
シオカラトンボが草取りしているSさんの帽子に止ま

ってしばらく休んでいました。
この間スタッフの女性たちは田んぼの空き地に据え付けたかまどで薪を燃やして、ご飯を炊き、カレーを作っていました。カレーは約10人のスタッフが家で煮てきたものを合わせて更に新しい食材を足して甘口と辛


口の2種類を作っていました。大勢の人がそれぞれに作ったカレーを合わせていますから、さぞ複雑な美味しいカレーになることでしょう。
次は「新川の生き物探検」の始まりです。富田勇先生が始めに川の生き物の話をして下さいました。


日本の淡水魚は約400種類いたそうですが、川の護岸工事などでその中の150種類位が絶滅又は絶滅危惧種になっているそうです。このままだと30年後には更に100種類の生き物はいなくなるかもしれない危機的な実情だと話されました。今日は新川にどんな


生き物がいるか調べて、その生き物たちが育っていけるような環境を考えたいと話されました。
網やバケツを持ち、川に入れる姿になった塾生たちは川に取り付けた梯子を伝って新川へ降りて行きました。気温は34℃の暑さでしたが、水温は20℃と

気持

ちの良い冷たさでした。網を使って草むらの中に隠れているエビやドジョウやカニやヤゴなどを見つけてお父さんやお母さんが持っているバケツなどに次々と生き物が集まってきました。富田先生が大きなウナギを網に捕まえたと皆のところへ持って来ましたが、バケ


ツに移す時、あっという間にウナギは川へ逃げてしまいました。
川底の石を裏返して見ると、ヘビトンボの幼虫が沢山見つかりました。この幼虫は綺麗な川の指標になる生き物だそうですから、新川が綺麗な川である証拠

で、本当に嬉しく誇らしく思いました。1時間の新川の

探検が終わり、皆川から上がって、富田先生から今日見つけた生き物の説明を聞きました。
今日捕まえた中で珍しい生き物はカワヨシノボリとヌマチチブだそうです。生き物の大概は川へ返しました

が、この2種類を飼ってみたいという塾生が、先生から

育て方を聞いて大切に家に持って帰りました。
いよいよ嬉しい昼食時間になりました。暑い中で草取りしたり、川の探検をしたりしてお腹が空いていましたから、薪で炊いた黒米ごはんにライスカレーは美味

しかったです。お代りは何杯でもできて沢山いただき

ました。
お腹がいっぱいになった後は、今年の夏まつりの「おたのしみ?」それは「シャボン玉遊び」でした。布で巻いた大きな輪をスタッフが特別に調合したシャボン

玉液に浸して風を通すと普通では考えられないくらいに大きなシャボン玉がしばらく空中にふわふわと浮かんで、メルヘンチックな光景でした。シャボン玉遊びをしている塾生たちもとても楽しそうでした。
塾生歴の長いRちゃんが、捕まえたイモリのような生


き物を腕に這わせてさていました。自分の分身みたいに大事にしていて、イモリも逃げないのには驚いてしまいます。
午後1時からは「椎の木谷の森の探検」です。椎の木谷保全の会の鈴木満帆先生が案内して下さいまし

た。 まず最初に案内して下さったのは大きな杉の木が生い茂る清水が湧き出ている場所でした。そこは30℃を超す今日の暑さでも涼しくて気持ちの良い場所でした。先生が涼しいわけを話してくださいました。

それは木も汗をかいていて、葉の裏から水蒸気を出して周りの空気を冷やす蒸散作用をしているからなのだそうです。
傍には透き通った冷たい水が湧き出ていて、そこにスイカ割の沢山のスイカが冷やされていました。
次に橋の上から新川の川底を覗き込みました。新川

の川底には所々に青粘土が見えます。この粘土層からは引佐の方でナウマンゾウの化石が見つかりましたから、もしかしたらこの粘土からも見つかるかもしれないそうです。橋を渡り椎の木谷の坂道を上ると途中に山桜の大きな木が立っていました。春になると毎年美しい花を咲かせます。椎の木谷公園に着きました。椎の木が沢山生えているところは、椎の木谷保全の会の方たちが手入れして

下草が刈ってあり、ここへ来た人たちが自由に自然体験の散策ができるようにしているとのことでした。椎の木谷で一番大きな椎の木がありました。ここ椎の木谷のシンボルの木だそうです。
よく手入れされた竹林から谷へ下りて行き、小さな流れを渡って坂を上がって上がり切った場所には、椎の木の苗木を植えてありました。将来椎の木林

にしようとしているのだそうです。この谷にはミカワバイケイソウという絶滅危惧種になった希少な植物があります。静岡県では椎の木谷のここと和久田さんのホタルの里の2か所にしか生息しない貴重な植物ですから、絶やさないように大事に管理しているそうです。
まだ2歳のMちゃんが自分の足で最後まで坂道を下ったり上がったりして

いて感心しました。
椎の木谷保全地区は自然を保全しながら、荒れ地だったところに田んぼや畑などが耕され、美しい里山の風景ができ始めていました。
やまかわの田んぼに戻ってきて、最後はスイカ割をしました。目標のスイカを4か所に置いて、目隠しした塾生が全員順番にスイカを割りました。AMISのお兄さんたちが目隠しの塾生に方角を教えるのですが、1度で割るのは難しい楽しいゲームです。最後にはお父さんが家族の皆の指示を聞きながらスイカを割る微笑ましい光景もありました。
用意されたスイカは沢山ありましたから、皆で沢山食べました。椎の木谷

の清水で冷えていてとても美味しいスイカでした。
最後に今日の新川の水質検査の結果が発表されました。COD 6、アンモニウム 0.2、硝酸 0.01、リン酸 0.1でした。
今日の夏まつりに集まった塾生は21家族58名、一般の方11名、スタッフ19名でした。

夏まつりは予定通りに楽しく終わることができました。皆様のご協力ありがとうございました。