小学校が夏休みに入った今週は暑い日が続きましたね。今日は4月に摘んだ茶葉を手もみ茶に仕上げます。出来上がるのに4時間かかるので、空き時間はスガイを作ります。熱中症にならないよう日除けをして作業場所を作りました。

未来塾がお世話になっているやますえ製茶の鈴木さんは、お茶の普及活動に取り組んでいらっしゃり、市内の小学校でも茶摘み体験や手もみ茶の実演をされていらっしゃいます。今年も対象学年が違いましたが、塾生が通う小学校で実演をされたそうです。暑い時期ではありますが、茶処静岡に住んでいる子どもたちにとって、茶摘みや手もみはとても貴重で良い経験になりますね。
4月に摘んだ茶葉は、発酵しないように蒸して保管してありました。蒸さずに発酵を進めると、やますえさんでも作られている和紅茶になります。用意された1.6

㎏の葉は、これからゆっくり焙炉の上で水分を飛ばし1/5の330gくらいのお茶となります。
きれいな緑色で水分を含みベタつく感じがある葉を葉ぶるいしていきます。葉をふわっと持ち上げて焙炉に落とし、風を当てながら水分を飛ばしてくっついた葉をばらしていきます。

摘んだ葉は若いほどお茶のエキスが入っていて、べたつく葉の方が美味しいお茶になるそうです。みるい葉が良いそうで、「みるい」とは遠州弁で未熟、やわらかいと言う意味なのだそうです。ちなみに反対語は「じゅるい」で、熟しきった意味を持つそうです。子どもたちは手のひらが緑色になってしまいますが、

まだ水分の残り若い葉独特の香りある茶葉の感触を楽しみながら作業をしていきました。
茶葉の色に深みが出てきた頃に回転もみを始めました。集めた葉を炉の上でやさしくコロコロと転がします。回すことで茎が裂けてほどけてくるそうです。ゆっくり軽回転させることで均一に水分を飛ばすことができます。

この工程での力加減で出来上がりの味が変わってくるそうです。急いで作ろうとぎゅうっと力を入れてしまうと渋いお茶になってしまうそうです。ただ、弱いと渋味も出ないが旨味もでないとのこと。それを聞いたM君は美味しくなーれと言いながら茶葉を転がしていました。

葉の形をしたものがなくなり棒状のお茶の形に近づいてきたら、ふりもみ切り、もみ切りの作業に移ります。炉の中の茶葉の音で水分が抜けてきたことがわかります。S君はやますえさんの説明を熱心に聞きながら真剣に手もみ作業をしていました。
お昼に茶畑の横で育った大きなスイカをごちそうになりました。この種をもらって育てようか、とスタッフが話すくらい甘く美味しいスイカでした。

お昼休憩の間にもやますえさんが作業を進めてくださり、午後からはもみ切りからでんぐりへと手順が移っていきました。手の中ででんぐり返り、曲がった茶葉が引っ張られて伸びて真っすぐになっていきます。色は深みを増し針のような棒状になってきました。青くささがなくなり、香ばしいお茶の香りが広がります。

手もみの作業をしない人たちは稲刈りで使うスガイを午前中から作っていました。刈った稲を束ねる藁の紐で、稲刈りや脱穀で2000本以上必要です。Yちゃんが皆が作ったスガイを集めて数を確認してくれました。1日で950本も出来たそうです。

秋までに、あと何回かスガイを作る機会があるので稲刈りまでには準備ができそうです。
完成したお茶の袋詰めまで子どもたちが頑張ってくれました。棒状の茶葉1本を湯呑に入れてお湯を注ぐと摘んだ時の葉っぱの形に広がるそうです。機械での製茶だと作業途中で茶葉が切れてしまうのですが、

葉の形に戻るのは優しく手もみされたお茶の証です。ご家族でじっくり味わってくださいね。
やますえ製茶さんには今回も貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました。